大好き!「陳情令」

もう見たまんま❗タイトルどおりの内容です《笑》

彼はハンサム 彼もハンサム

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            「結婚するならハンサムな中国人青年と。」  

 

    今思い返せば自分で笑ってしまうくらい、乙女な夢を見ていた。それはかれこれ三十年以上前のお話…。  

 子供の頃からの映画好きだっただけに、東京での一人暮らしが始まると、「新宿歌舞伎町映画館巡り」はすぐに週末の恒例行事となった。それにさらなる拍車をかけたのが『ラストエンペラー』。一九八八年第六〇回アカデミー賞において作品賞、監督賞、撮影賞、脚色賞、編集賞、録音賞、衣装デザイン賞、美術賞、作曲賞と、実に九つの部門で受賞を果たした名作である。

 物語の主人公である清朝最後の皇帝(=ラストエンペラー)溥儀を演じたのはジョン・ローン(尊龍)。 第二次大戦を含む激動の時代を背景に、血気盛んな青年期から人生を終えようとする老年期に至るまでを、目の動きから指先の仕草から歩き方から、全てを見事に演じ切った彼。この『ラストエンペラー』という作品は前述の如く、アカデミー賞においてあれだけ高い評価を得ていた。にも関わらず彼の名が、その主演男優賞部門においてノミネートすらされなかったのは、いったい何が邪魔をさせたというのか。わたしには正直いまだに納得がいかない。

映画ポスター】 ラストエンペラー (THE LAST EMPEROR) REG-SS オリジナルポスター

 そう、「結婚したいくらいハンサムな中国人青年」と言えば、この頃のわたしにとってはまさにジョン・ローンその人であった。彼のくっきりとした二重瞼と、それに負けない大きな瞳。東洋人ばなれした高い鼻筋。ほんの少し微笑んだだけでも、口元から覗く形も並びも美しく整った真っ白な歯。これだけ恵まれたパーツがバランス良く揃っているのだから、その完成度にもはや間違いなどあろうはずは無い。しかし実を言うと、彼のこのハッキリくっきりした濃い目の顔と、わたしの個人的な好みの顔はむしろ対極にあるのだった。

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 よく「涼し気な目元」などと言うけれど、わたしはまさにそんな顔が好きなのだ。パッチリした大きな瞳よりも、いわゆる切れ長の瞳。それに色白のきれいな肌。正直そちら方面は詳しくは無いけれど、顔立ちだけの話で言うなら、いわゆる韓流系の方々のそれが当てはまるのかもしれない。

 もちろんジョン・ローンは「ハンサムな中国人青年」(当時)に違いない。でもあの頃のわたしを夢中にさせたのは、やはり何よりも彼の演技の素晴らしさ。加えて洋楽をサラリと歌って聞かせるその美声。チャールストンを踊ってみせた彼のステップの、驚くばかりの軽やかさと若々しさ。それらを全部ひっくるめての、俳優としてのあふれんばかりの彼の才能だったのだと思う。

 

 あれから早くも三十数年。久々に心ときめく「ハンサムな中国人青年」と出会った。彼の名はワン・イーボー(王一博)。たまたま深夜に目にしたドラマ。中国ファンタジー時代劇『陳情令』で、彼は二人の主人公のうちの一人を演じていた。色白でなおかつ透明感のある美しい肌。表情によってはかなりキツクすら見える切れ長の瞳。この二つだけでも、わたし好みのハンサムの条件にピッタリだ。

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 そんな彼が穢れ一つない白装束に身を包み、雅な所作と切れのあるワイヤーアクション、見事な殺陣を次々と見せてくれるのだから、わたしでなくても女性陣からはため息のひとつも出ると言うものだ。後になって知った事だが、すでに彼は優れた若手ダンサーのひとりとして知られているらしい。あの流れるような動きの美しさはなるほどそれ故かと、今となっては感心するばかりである。

 それにしても主役の一人であるにも関わらず、極端にセリフが少ない役というのは、正直かなり難しかったのではないかと思う。その上原作小説でのキャラクター的な縛りもあり、感情や表情まで極力抑えなければならない役でもあった。ぶっちゃけ演じる側として、これほどストレスが多い役も珍しいのではないだろうか。しかし彼はそれを全五十話最後まで演じ切った。その根性ひとつとっても、わたしはあっぱれだと思うのだ。しかもこのドラマが本国でリアルタイムに放映されたのは二年も前の事だから、撮影開始時点で彼はおそらく二十二歳になったかどうかというタイミングだったはずなのだ。

 ちなみに今回初めて知った事だが、中国ではドラマでも映画でも、セリフは演じている役者本人のものでは無く、後に吹替られる事が多いのだと言う。あまりにも広大な国土ゆえに、その土地々々で訛りも方言も多種多様。実際のところ「本当に正しい標準語としての北京語」を話せる人材は、プロの俳優陣の中にもそう多くはいないのだそうだ。『陳情令』でも彼が演じている藍忘機(ラン・ワンジー)のセリフは、別の方が吹き替えている。もちろん声が本職の俳優さんが吹き替えているのだから、その声は適度な低音で良く響き、かつ落ち着きを感じさせる美声である。それでもやはり本物の彼自身の声を一度聞いてみたいと思うのは、ひとりのファンとして無理からぬ事であろう。

 念願かなって初めて聴けたその声は、セリフではなく彼の歌声であった。『陳情令』のメインキャストの何人かには、それぞれのキャラクターを楽曲で表現したキャラクターソングがあり、いずれも公式サイトで聴く事ができる。そこでは幸いな事に本編の名場面を散りばめた動画とともに、彼が演じた藍忘機のキャラクターソングを、彼自らの歌声で聴く事ができたのである。

 

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    その曲は、もうひとりの主人公への切ないラブソングであった。それは決して技巧的にずば抜けているとは言えないかもしれない。それでもとても心に響く歌声であった。何より彼の声はとても柔らかく、優しさに満ちていた。その少し吐息が混じった様な独特な歌い方はどこか儚げでもあり、耳を傾ける全ての人の心を和らげ、癒す力をもちあわせているかの様だった。

 

 ジョン・ローンとワン・イーボー。顔のタイプは違えども…。いずれも俳優としての素晴らしい才能。心に響くその歌声。そして華麗なるダンスステップ♪ もちろんどちらも「ハンサムな中国人青年」!

 

     まるっきし同じじゃんけ!!(゜ロ゜ノ)ノ(←注:甲州弁)

 

 三十数年の時を経て尚、ある意味一向に成長していない己れを思い知って愕然とするべきか。はたまたまだこんな恋心の様なものがあったのかと喜ぶべきか。いずれにしてもアチラは二十四歳。さすがにもう「結婚したい!」とは思わないけれど。これから彼がどうアジアのトップスターに、そしてさらには世界的なスターになって行くのか。楽しみに見守りつつ、応援したいと思うのだ。ちなみに彼は今、北京冬季オリンピックの応援ソングも歌っている。『冬夢飛揚』。タイトルからして何やら希望に満ちたこの曲は、わたしが大好きな心躍るマーチである。

 

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 果たして二〇二二年二月、北京の開会式本番で、彼の歌声をライブ中継で聴けたりするのだろうか?いや、いっそ開会式は…

              国歌斉唱     シャオ・ジャン

      応援ソング ワン・イーボー

の二本立てでやってくれないかしら?(←妄~想は自由~だ~ど~こま~で~も~~♪)

 わたしの中のお祭り騒ぎは、まだまだ当分おさまりそうに無い。